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投稿日:2020.07.25  更新日:2020.09.06

日経プラス10サタデー ニュースの疑問(BSテレビ東京)に生出演

7月25日(土)「日経プラス10サタデー ニュースの疑問」(BSテレビ東京)に生出演しました。

「コロナワクチン開発・争奪戦…日本の備えは」のコーナーで、ワクチン開発状況や今後の見通しについてコメントしました。

・ワクチンも薬もあった2009年の新型インフルエンザの時とは状況は全く異なり警戒する必要がある
・有効性・安全性が確立したワクチンを短期間で出すのは至難の業であり夢を持つのは良いが過度な期待はしない方が良い
・(日本での開発は遅いのでは?という問いに対して)1年後の来秋に実用化できたとしても、それでも驚異的なスピードである
・副作用のない薬やワクチンは皆無。事前に把握してコントロールすることが大事
といった主旨のお話をしました。

それにしても期待値コントロールは本当に大事です。
秋にも実用化という報道があったので、多くの人は「実用化=供給」と思っているのではないかと思います。しかし、仮に実用化できたとしても(私は本当に有効なワクチンを実用化するのはかなり難しいと思いますが)、安定供給までには製造設備や冷温保管・物流、接種する医療体制の確保など多くのハードルがあり、日本のような先進国でも、それほど簡単ではありません。

ちなみに、そもそも一般の人が期待するコロナのワクチン(接種することで発症しないワクチン)を早期、年内や年明けに安定的に供給するというのは、現時点ではほぼ不可能ではないでしょうか。これだけの資金と世界の頭脳が結集していますから、大いに期待したいところですが、期待しすぎは禁物です。対症療法薬を含む治療薬であれば多少期待できるかもしれません。

ちなみに、インフルエンザワクチンは1940年代に実用化されましたが80年経った今も研究開発が続いています。コロナのワクチンもできなくて当たり前、「もしできたらラッキー」くらいの気持ちでいることが大切だと思います。

映画「コンテイジョン」のように、ワクチンが供給された瞬間に以前のような世界に戻ることができるハッピーストーリー・・・というのは夢物語。

過度に恐れず、ワクチンに過度に期待せず、感染対策の基本である手指衛生を徹底して、コロナと共存しながら、できる限り通常通りの社会活動を続けるのが何より大切ですね。